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熊本県人吉市 地域の特性を活かしたワーク・ライフ・バランスの推進事例集 | 働き方・休み方改善ポータルサイト

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Academic year: 2018

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(1)

●取組のポイント

伝統ある「おくんち祭」にあわせて

年次有給休暇の取得を促進

• 年次有給休暇の取得促進を通じて、地元で平安時代から続く「おくんち祭」への保護者を はじめとした住民や地元企業の参加を促し、家族の時間の創出等を通じて伝統文化の継承 や地域の活性化を図る

1.取組のきっかけと今までの取組内容

(1)取組のきっかけ

• 国宝青井阿蘇神社では、平安時代から 1,200 回以上続く「おくんち祭」が、10 月 3 日から 11 日までの日程で開催される。祭が最も盛り上がるのは、10 月 9 日に行われる神幸行列である。

• 神幸行列には、各町内の子ども神輿も多数参加するものの、9 日が平日となった場合、学校の対 応が統一されておらず、保護者から「学校を休みにできないか」との要望が出されていた。

• 「大人(企業)と子ども(学校)の休みのマッチングを行い、地域ぐるみの家族の時間を創出」す ることを目的に、平成 24 年度に国土交通省観光庁の「地域における家族の時間づくり促進事業 (家族の時間づくりプロジェクト)」 に参加した。これを機に 「10 月9日を学校休業日」 とした。

また、学校休業日に合わせて、保護者である従業員が有給休暇を取得できるように商工会議所を 通して周知・啓発を行った。しかし、「子どもは休日」となったものの、「保護者は仕事」という 家庭が多く、そのギャップをどのようにするかといった課題が生まれた。

• 平成 25 年度から平成 27 年度まで厚生労働省の「地域の特性を活かした休暇取得促進のための 環境整備事業」に参加し、10 月 9 日に年次有給休暇の取得促進を図る活動に取組むことで家族 と触れ合う時間を作り、ワーク・ライフ・バランス(仕事生活の調和)を図る環境づくりを推進した。

【取組のねらい】

学校休業日の柔軟な設定 保護者の有給休暇の取得

『おくんち祭』への参加

(2)

(2)取組内容

●連絡会議の実施

• 人吉市や業界団体等の委員で構成する連絡会議を開催し、年次有給休暇取得促進策や意識醸成の ための方策・取組内容の検討、関係各機関への協力依頼等の連携を図った。

●休暇取得促進策の周知・啓発、事業場訪問による働きかけ

「おくんち祭」の様子

平成 27 年度周知ポスター

• 業界団体会報誌へのリーフレット折込によ り、事業場向けに周知した。合わせて市内 の保育園、幼稚園、小中学校にリーフレッ トを配布し、園児・児童・生徒を通じて保 護者へ、人吉市広報紙や地元新聞への広告 掲載、公共施設へのポスター掲示、ラジオ CM 等により住民へ周知を図った。

• 労務管理の専門家が事業場を直接訪問し て、重点実施日の年次有給休暇取得促進に 向けて働きかけを行った。また、人吉市の 事業場に加え、人吉市から周辺の事業場に 勤務する従業員もいることから、球磨郡の 事業場も対象とした。なお周知にあたって は、熊本県の PR キャラクター「くまモン」 を最大限利用した。

(3)

2.取組の成果と課題

(1)取組の成果

●全体を通じて

• 本事業の取組前は、青井阿蘇神社の周辺校区のみが 9 日を学校休業日としていた。しかし、事業 を契機に、学校休業日が市内全域の小中学校に拡大し、子供神輿への参加等、祭りの活性化も図 られた。

• 今までの慣習に加え、国の推進事業として平成 25 年度~ 27 年度の 3 年間に周知・啓発強化の 取組により、保護者をはじめとした住民や、地元企業の地域行事への参加を促し、伝統文化の継承、 地域の大切な祭事として再認識ができ、地域活性化につながったと考えている。

●アンケート調査結果から

• 平成 25・26・27 年度の取組実施後の事業場向けアンケートでは、10 月 9 日当日に何らかの 休暇取得促進の取組を実施した事業場は、平成 25 年度の 36.9%から平成 27 年度は 55.8% に増加した。

55.8

50.0

36.9

44.2

48.2

63.1

0.0

1.8

0.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

27年度(N=95)

26年度(N=110)

25年度(N=103)

10月9日の休暇取得促進の取組状況(事業場向けアンケート)

行った 行っていない 不明

51.8

41.1

25.0

12.5

25.0

10.7

1.8

52.5

24.6

14.8

14.8

9.8

8.2

0.0

42.1

23.7

13.2

36.8

7.9

13.2

5.3

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60%

小中学生以下の子どもがいる従業員に 年次取得を奨励

年次有給休暇取得希望者に可能な範囲で 休暇を付与

全従業員に年休取得を奨励

周知のみを行った(25.26年度の選択肢は 「周知のみで通常営業」)

シフト調整や短時間勤務で調整

事業所が休業になった

その他

27年度(N=56)

26年度(N=61)

25年度(N=56)

10月9日の休暇取得促進の具体的取組内容(事業場向けアンケート、複数回答)

(4)

(2)課題

• 保護者向けアンケートでは、10 月 9 日に年次有給休暇を取得した保護者は、平成 25 年度は 14.9% であったが、年々増加して平成 27 年度では 19.6%になった。半日の休暇や振替休暇 の取得など、何らかの形で休暇取得した保護者も増加し、「通常通り仕事をした」と回答した保 護者は、平成 25 年度の 55.9%から年々減少し、平成 27 年度には 49.3% となり、事業場の 理解が進んだことが示されている。

• 従業員が年次有給休暇を取得することのメリットとして、事業場の 6 割以上が「従業員の心身の 健康に繋がる」、4 割以上が「従業員のモチベーションが向上する」と捉えている。

19.6 17.1 14.9 4.8 5.0 4.2 11.9 12.2 11.3 5.3 5.3 6.0 3.3 2.3 2.5 49.3 50.8 55.9 5.2 6.1 3.8 0.6 1.2 1.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

27年度(N=1,038)

26年度(N=1,081)

25年度(N=764)

10月9日の休暇取得状況(保護者向けアンケート)

年次有給休暇を取得した 半日休暇等を利用し、仕事の時間を短くした 勤務予定表を振り替えて休暇を取った もともと勤務の予定はなかった

会社が休業した 通常通り仕事をした

その他 不明

65.2 46.7 21.5 17.0 9.6 6.7 8.1 2.2 67.3 47.2 13.2 18.9 6.9 8.2 11.9 0.0

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80%

従業員の心身の健康に繋がる

従業員のモチベーションが向上する

社内の雰囲気が良くなる

仕事の効率が上がる

社内の人間関係が良くなる

優秀な人材が集まる

特にメリットを感じられない

その他

従業員が年次有給休暇を取得することのメリット (事業場向けアンケート、複数回答)

27年度(N=135)

26年度(N=159)

(5)

3.現在(事業終了後)の取組内容

• 神幸行列は毎年 10 月 9 日に行われるが、平成 28 年度は日曜日に当たり、学校や大半の保護者 も休業日となる。そのため人吉市では、10 月 7 日(金)を「家族の時間の日」として、市内の 小中学校を休業日とし、(8 日(土)~ 10 日(月)の 3 連休に 7 日を加え、)4連休を創出した。

• 平成 28 年度も啓発活動に努め、周知チラシを 5,500 部作成、市内保育園・幼稚園・小中学校 へ配布し、園児・児童・生徒を通じて保護者への周知を図った。

• また、人吉市広報紙や、各メディアへの情報提供・掲載依頼、公共施設でのチラシ配布等により 住民への周知も行った。

4.今後の課題

• 平成 29 年度についても、周知チラシを 5,500 部作成し、市内保育園・幼稚園・小中学校へ配布し、 園児・児童・生徒を通じて保護者へ 9 月に配布を予定。

平成 29 年度の周知チラシ

【事例照会先】 人吉市 総務部 自治振興課

〒 868-8601 熊本県人吉市下城本町 1578 番地 1 代表電話 :0966-22-2111 URL : http://www.city.hitoyoshi.lg.jp/

• また、人吉市広報紙や、各メディア への情報提供・掲載依頼、公共施設 でのチラシ配布等により住民への周 知を予定。

• 人吉市の住民でありながらも人吉市 外で勤務している人や、他地域から 人吉市に進出しているチェーン店等 の企業に勤務している人の中には、 休暇を取れない場合があったため、 今後、人吉市内のみならず市外等へ の本事業の周知・啓発の拡充が必要 と考えている。

参照

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